2021年にWeb広告の市場規模は2兆7052億円となり、マスコミ4媒体(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)の広告費を初めて上回りました。

社会の急速なデジタル化に後押しされ、市場規模を拡大し続けているWeb広告ですが、長らくこの業界を悩ませている大きな問題が『アドフラウド』です。

国内のマーケティング業界でもアドフラウドは問題視されており、現在はさまざまな対策方法が確立され、複数の対策ツールが提供されています。

複雑で難しい印象が強いアドフラウドですが、正しい知識を身につけていれば自社内で対策することも十分に可能です。

この記事では、アドフラウドの基礎知識、対策方法、対策ツールを紹介します!

目次

アドフラウドとは

アドフラウド(Ad Fraud)は、直訳すると「広告詐欺」という意味です。

一般的には、ボットなどの自動プラグラムを用いてクリック数や成約件数の水増しを行い、違法な手段で広告費を搾取する手口が主流となります

しかし、近年のアドフラウドは種類が分散され手口が巧妙化し、被害額も増え続けています。下記では、アドフラウドの基本概要から詳しく解説します。

被害

まずは、アドフラウドがどれ位の被害をもたらしているかを紹介します。

アドフラウド対策ツール「Spider AF」を提供する株式会社Spider Labsは、2021年7月から12月までに解析したWeb広告の6億9,600万クリックのうち、約4.4%にあたる3,062万クリックがアドフラウドであることが判明したと発表しました。

このクリック数を基に被害額を換算すると、2021年のアドフラウドによる年間被害額は1,072億円になると推計されます。

認知度は高くありませんが、アドフラウドは海外の調査によると反社会勢力の収入源になっているとの報告もあるため、対策が必須の重要な社会問題として考えなければいけません。

種類

従来までのアドフラウドは、競合企業からの執拗な広告クリックによる広告予算の消化や、自社の広告配信面を不正にクリックして広告収入を得る手口が主流でした。

しかし、近年では手口が多様化しており、さまざまな種類に分散されています。

  • インストールハイジャック
  • デバイスファーム
  • botを用いた不正クリック・インプレッション
  • 取引情報の偽装
  • プログラムによる広告閲覧
  • 広告の隠蔽表示

 

この中でもとくに多い手法が、botを用いた不正クリック・インプレッションです。

システムで広告が不正に表示され続けているため、広告主はユーザーに広告が見られていないにも関わらず、発生している広告費用を払わなければいけません。

他にも、契約段階で広告主を欺き偽のドメインで広告を掲載する手口や、広告をCSSで消した状態で表示してインプレッションを稼ぎ広告費を搾取する手口も流行しています。

最近のアドフラウドは手口が巧妙化しているため、さまざまな手段を用いて対策する必要があります。

アドフラウドの対策方法

アドフラウドは、成果に繋がらない無駄な広告費を搾取されるだけではなく、ブランドイメージを損なうリスクや、正確なデータ分析ができなくなるなどのデメリットがあります。

放置していても有益になることは何一つありませんので、適切な対策法を講じてアドフラウドに対抗しなければいけません。

ここからは、広告主、Webメディア、アプリの3つの観点から、アドフラウドを対策する方法をわかりやすく解説します。

広告主

広告主はアドフラウドに対して、事前・最中・事後の三段階で対策する必要があります。

事前にできる対策は、アドベリフィケーション対策ツールを導入しているDSP事業者への乗り換えです。無駄に多くの広告費を払わないといけなくなるからWeb広告の出力を下げようと考えるのではなく、どこに配信すべきかを考えることで改善への道は開きます。

DSP事業者を選定して広告取引を行えば、無駄な買い付けは未然に防ぐことができます。

広告配信中も、クリック数やインプレッション数の中間指標には必ず目を向けるようにしましょう。そのうえで、随時解析を行いながらブラックリストへの追加も忘れてはいけません。

事後の取り組みは、機械学習に加えて担当者の目視チェックも欠かしてはいけません。

  • 不正リスクが高い
  • 広告主に対してネガティブなコンテンツが掲載されている
  • 成果に繋がっていない

 

上記の条件に該当するWebメディアをブラックリストへ追加していけば、次に広告出稿する際のアドフラウド防止だけではなく、ブランドイメージ毀損リスクも下がります。

Webメディア

広告を掲載するWebメディアは、解析用タグを用いて訪問者の情報や行動を追跡することでアドフラウドの対策ができます。

Web広告に解析用のタグを設置しておけば、リアルタイムでユーザー行動を監視できます。

定期的に解析データを分析し、異常行動が確認できる訪問者を見つけられれば、非許可リストへ入れて対策することが可能です。

非許可リストの訪問者に対しては、ダミー広告の表示や広告の非表示を実施してください。そうすることで、botを用いた不正クリックや、競合企業からの嫌がらせを防止できます。

アプリ

アドフラウド対策ツール「Spider AF」を提供する株式会社Spider Labsの調査によれば、2020年7月から12月までの半年間で解析した4,400万件のアプリのインストールのうち、790万件(17.9%)のインストールがアドフラウドであると発表しました。

オーガニックのインストールが急激に増えたり、インストール後のパフォーマンスが著しく悪化した場合は、アドフラウドの影響を受けている可能性があります。

1つの端末でIDのリセットを繰り返し、複数の端末からインストールしているように見せるアドフラウド(通称デバイスファーム)が主流ですが、極めてステルス性が高いため自社で発見するのは非常に困難です。

また、手口が巧妙化している最近のアドフラウドは、主流だったインストールの水増しだけではなく、インストール後のアプリ内課金における不正も増加しています。

デバイスファームを自社だけで対策するのは困難ですが、広告を出稿する際にDSP事業者を選定するなどの対策を取れば、無駄な広告費の支払いは防止できます。

アドフラウドの対策ツール

ここからは、アドフラウドを対策できるおすすめのツールを紹介します。

SpiderAF

出典元:https://jp.spideraf.com/

AIを搭載した『SpiderAF』は、これまでにない最適な広告パフォーマンスを実現できる自動化・非属人化に特化したアドフラウド対策ツールです。

SpiderAFを利用することで得られるメリットは下記の3点です。

  • 無駄な広告費の削減
  • 競合からの不必要なクリックの防止
  • ブランド毀損から守る

 

SpiderAFがスキャルピングや悪戯によるクリックを検知すると、その分の広告費は全て返金されます。大量のクリックも検知できるため、競合からの嫌がらせも防止可能です。

国内最大級のアフィリエイト事業者であるバリューコマース株式会社に対して提供を開始しているツールなので、抜群の安心感がある点も大きな魅力であるといえるでしょう。

X-log.ai

出典元:https://x-log.ai/

無料で使える不正クリック防止ツールの『X-log.ai』は、初期設定をするだけでAIが自動的に無駄なクリックを判別・対策してくれます。

アドフラウドの中でも不正クリックに特化しているこちらのツールでは、対象となるIPや配信先を自動的に判別したうえで運用画面へ除外登録します。

判別から対策までの全てを自動で行ってくれるため、ユーザーは結果を確認するだけ。一切の手間がかからず悪質な不正クリックに対応できます。

月間10万PV以下のWebメディアは無料で使えますが、それ以上の規模だと従量課金となり、アクセスが増えるごとに料金が発生します。

IAS

出典元:https://integralads.com/jp/

IASは数千のWebメディア、SNS、テクノロジー企業、プラットフォームと連携し、高い精度でアドフラウドから広告予算を守ってくれる対策ツールです。

IASでは、違法なbotがいつ、どこで、どのようにWebメディアに侵入したかを特定します。

TAG Certified Against Fraud Seal(TAGアドフラウド対策認証)を獲得した業界初の企業であり、厳しいテストに合格した専門技術者により、質の高いサービスを受けられます。

2020年2月25日には、IASの不正対策専門機関が新種のアドフラウドである「404bot」を発見し、その全容をいち早く世界に向けて公開しています。

世界的に名が知られている企業が提供するアドフラウド対策ツールなので、確実に精度の高いサービスを受けられるという大きなメリットがあります。

まとめ

近年はWeb広告の配信が自動で行えるようになったので、広告代理店を通さずとも気軽に社内で運用できるようになりました。

便利で身近な存在になったWeb広告ですが、その裏にはアドフラウドという業界を悩ませている広告詐欺が蔓延しています。

アドフラウドの被害に遭うと無駄な広告費の支払いが発生するだけではなく、ブランドイメージの毀損や正確なデータを収集できなくなるなど、さまざまな不利益を被ります。

アドフラウドは自社内だけでも対策できますが、より高い精度で精査、検証、対策を行いたい場合は、対策ツールの利用も検討してみましょう。

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