2020年9月には国内の月間利用者数が6,500万人を超えるなど、幅広い世代に愛されているYouTubeは、日々多くの方が利用している巨大プラットフォームです。

日本人から常に高い注目を集めているYouTubeには、さまざまな種類の広告があります。

YouTubeに配信できる広告のフォーマットは全部で6種類ありますので、商品やサービスを効率よく宣伝するためには、それぞれの特徴を把握しておかなければいけません。

そこで本記事では、広告主の方向けにYouTubeに配信される広告のフォーマットそれぞれの特徴と、YouTubeに広告を出稿するための手順を詳しく紹介していきます!

YouTubeに配信される広告のフォーマット6種類を紹介

Googleと同様のターゲティング機能を持ち、入札単価1円からという低価格で配信することできるYouTubeの広告は、非常に費用対効果の高い媒体であるといえます。

大きく動画広告と画像広告に分類されるYouTubeの広告は、スキップの有無、表示時間、課金方法など、さまざまな特徴の違いがあります。

以下の項目では、それぞれのフォーマットの特徴を詳しく紹介します。

TrueViewインストリーム広告

出典元:https://dmlab.jp/adtech/new_tech/adtech180204_3.html

TrueViewインストリーム広告は、YouTubeの動画を視聴している際に流れる動画広告です。

動画本編の前後または途中に挿入できる広告ですが、動画広告が流れてから5秒後にはスキップできるというのが最大の特徴です。

  • YouTubeで動画を視聴している時に流れる広告
  • 課金方式は入札形式(メインは2~30円)
  • 動画広告が流れてから5秒後にスキップができる

広告主のLPに遷移するか、動画広告を30秒視聴した場合のみ課金が発生する方式なので、動画がスキップされれば費用は発生しません。

動画の長さに関してGoogleは12秒から3分を推奨していますが、あまりに長すぎるとユーザーが離脱してしまうため、15~30秒の短時間でいかに訴求できるかが重要になります。

課金方式は入札形式で、運用途中に入札金額の変更や停止が自由にできるため、まずは低価格からスタートして適正価格を調整していきましょう。

TrueViewディスカバリー広告

TrueViewディスカバリー広告は、ユーザーがYouTube上で次に見る動画を探している時に表示される広告です。

サイズや形式は広告の表示先で変わりますが、いずれもサムネイル画像とテキストで構成されており、ユーザーがクリックすることで動画が再生されるという仕組みです。

  • YouTubeで動画を探している時に表示される広告
  • ユーザーが画像をクリックして動画を視聴した時だけ費用が発生する
  • ユーザーが検索した動画に関連した広告が表示される

こちらの広告が主に表示されるのは、YouTube内の検索結果画面、動画再生ページ、モバイルアプリ版のトップページの3つです。

動画の長さに制限はなく、費用はユーザーが画像をクリックして動画を視聴した場合のみ発生します。

認知拡大や購入促進に直結しやすいのが最大のメリットで、ユーザーが検索した動画に関連した広告を表示するため、費用対効果は極めて高いといえます。

バンパー広告

出典元:https://webbu.jp/youtube-ads-6565

バンパー広告は、スキップできない6秒間の動画広告です。

動画の本編再生中に流れる動画広告という意味では、上記で解説したTrueViewインストリーム広告と同じですが、スキップができる・できないという大きな違いがあります。

Googleが「動画広告の俳句」と表現しているバンパー広告では、6秒間という短い尺のなかでユーザーに強い印象を残さなければいけません。

  • 印象に残る短いメッセージを使いメディアの認知度を高めることが可能
  • 精度の高いターゲティングができる
  • 流れる時間が6秒と短いのでユーザーにストレスを与えにくい

動画の流れる時間が6秒と聞くと短く感じるかもしれませんが、現代人が集中できる時間は約8秒とされているため、10秒以上の動画広告は長すぎるという見方もあります。

6秒という短い時間でもバンパー広告は広告想起率が高く、Googleの発表でも他の広告に比べてブランドの認知度向上に効果的だとされています。

メディアの認知度拡大やブランディングに効果的な広告手法なので、短時間でユーザーの心を掴むメッセージを考えたうえで、ぜひ施策を検討してみてください。

アウトストリーム広告

出典元:https://support.google.com/youtube/answer/2375464?hl=ja#outstream-ads

アウトストリーム広告は、YouTubeの外側で展開されている広告です。

上記で紹介したインストリーム広告は「イン」なので動画の「中」なのに対して、アウトストリーム広告は「アウト」なので動画の「外」となります。YouTubeの動画とは別の場所に差し込まれる広告なので、具体的にはWebサイト・アプリ画面の広告枠、SNSでのPR投稿など、動画とは別の場所でユーザーへ訴求します。

  • 興味を引く工夫を用いれば高い訴求効果がある
  • 拡散されやすいので認知度を高めるためには効果的
  • リーズナブルな価格で動画のリーチを拡大できる

YouTubeのアウトストリーム広告は、モバイルで動画広告のリーチを拡大したい時に最適です。

Google動画パートナー上のWebサイトやアプリに掲載することができ、音声なし再生が開始されてユーザーがタップするとミュートが解除される仕組みとなります。

動画が2秒以上再生された時のみ料金が発生するので、リーズナブルな価格で施策を展開していきたいと考えている場合におすすめです。

マストヘッド広告

出典元:https://support.google.com/youtube/answer/2375464?hl=ja#outstream-ads

マストヘッド広告は、YouTubeのトップページ画面に掲載されている広告です。

YouTubeへアクセスする際は、まずトップページを開くことになります。その際、最も目立つ位置に掲載されている広告がマストヘッド広告です。

パソコン、スマホ、テレビといったすべてのデバイスに広告を表示することが可能であり、1日単位で購入できる仕組みになっています。

  • YouTubeのトップページに掲載されている最も目立つ広告
  • 事前予約が必要なメニューなので予約購入が必要
  • 大規模なユーザーへメディアを周知させる効果がある

幅広い世代のユーザーがアクセスするYouTubeの最も目立つ場所にある広告枠なので、1日でも出稿すれば膨大な数のユーザーの目に触れさせることができます。

最近はスマホではなくテレビでYouTubeを見る人が増えていますが、マストヘッド広告はアップデートによりテレビへの掲載にも対応しています。

通常のテレビ放送の広告よりも10%も高い想起率が得られるとの実験結果も出ているため、高い訴求効果が狙えることは間違いありません。

オーバーレイ広告

オーバーレイ広告は、YouTubeの動画内にて配信されているバナー広告です。

YouTubeの動画を見ている時に画面下に表示されるオーバーレイ広告は、動画ではなく静止画による広告であり、他の広告とは違いパソコンでしか配信できません。

  • 動画の下部に表示されている静止画広告
  • パソコンでしか配信することができない
  • リーズナブルな価格で配信できるメリットがある

YouTubeのオーバーレイ広告は動画の邪魔にならない場所に表示され、さらに最初から削除ボタンがあるのですぐに消すことができます。

ユーザーへストレスを与えることなく配信できるだけではなく、広告がクリックされた回数で費用を支払う課金形態も選べるため、リーズナブルな価格で出稿できます。

動画の視聴に集中しているユーザーへリーチできるため視認性が高く、とくに認知拡大に向いているフォーマットであるといわれています。

YouTubeに広告を出稿する方法は?具体的な手順を紹介

実際にYouTubeへ広告を出稿する手順は、以下の通りです。

  1. Google広告アカウントの開設
  2. YouTubeアカウントとの紐づけ
  3. 動画広告のアップロード
  4. 動画キャンペーンを作成
  5. 動画キャンペーンの設定

ここからは、具体的な手順をわかりやすく解説していきます。

ステップ1~3:事前準備

まずは、Google広告アカウントを開設します。

GmailなどのGoogleアカウントがあれば誰でも簡単に広告アカウントを開設することが可能。ホームページの右上に記載されている、「今すぐ開始」より手続きを進めることができます。

ここでは細かい設定を行わず、まずはアカウントを開設するだけで先へ進みます。

自身が所有しているYouTubeアカウントと、先ほど作成したGoogle広告アカウントとの紐づけが完了した後は、自身のアカウントに動画広告をアップロードします。

ここまでがYouTube広告を配信する基本的な準備であり、ステップ4から具体的な広告の内容や詳細を決めていくことになります。

ステップ4:動画キャンペーンを作成

YouTube広告は目標により利用できる広告形式が異なるため、まずはGoogle広告の管理画面にある「新しいキャンペーンを作成」を選択し、達成したい目標を決定します。

たとえば、メディアの認知度を上げることが目標である場合、検索広告やショッピング広告は利用することができません。

達成したい目標に合わせて出稿すべき広告のタイプを厳選してくれるので、上記で紹介したフォーマットの特徴を加味したうえで、動画キャンペーンを作成していきます。

ステップ5:動画キャンペーンの設定

動画キャンペーンのタイプの選択が完了した後は、全体設定を進めていきます。

  • 予算
  • 開始日と終了日
  • 入札戦略
  • どこに広告を掲載するか
  • 言語と地域
  • コンテンツの除外設定

予算の詳細を決める際は、広告配信にかける全体の予算を入力した後、1日に投入できる予算の上限を設定し、その数値内で広告を配信します。

これらすべての設定が完了して保存すると、広告の審査が自動的に開始されます。大体1営業日以内に完了となり、審査に通過すればYouTubeに広告が配信されていきます。

まとめ

YouTubeに配信されている6種類の広告それぞれの特徴と、YouTubeに広告を配信する手順を詳しく紹介していきました。

新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響で、さらに利用者数が拡大した世界最大の動画投稿サイトYouTube。若年層からシニア層まで幅広い世代の人が利用しているため、YouTubeに出稿する広告は多くの方の目に触れさせることができます。

YouTube広告を使い、効率よくキャンペーンを実施したいと考えている方は、上記で紹介した6種類のフォーマットの特徴を押さえたうえで、適切な施策を検討してみてください。

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