自社メディアでデジタル広告を運用する際、限られた広告枠で効率よく収益を得たいと考える人は多いでしょう。

そんな時に役立つのが、第三者の広告パートナーを招待してサーバー間で広告枠のオークションを行い、リアルタイムで入札を競合させることができる『Bidding』です。

『Bidding』は、メディアと広告主の双方に対して、最適な取引をサポートするシステムであり、広告収益を最大化する目的で利用されています。

この記事では、Bidding(旧Open Bidding)登場の背景や仕組み、設定方法などを詳しく解説します。

目次

Bidding(旧Open Bidding)とは

広告取引における『Bidding(入札)』は、メディアが設けた広告枠を、第三者である広告主がオークションで入札する意味で使われています。

昨今においては、メディアに掲載する広告の収益を最大化する『Header Bidding』というシステムが普及しています。

Bidding(旧Open Bidding)を利用する目的は、1つの広告枠の入札に対して複数社の広告主を競合させ、広告単価を最大化させるというものです。

入札は『RTB(Real Time Bidding)』というシステムでリアルタイムに行われており、インプレッションに対して最高価格で入札した広告主の広告が掲載されます。

広告枠を高く売りたいメディア』と『広告費を安く抑えたい広告主』双方の気持ちを汲み取ったシステムがBiddingなのです。

提供元:https://solutions.dac.co.jp/blog/p1-prebidjs

Bidding登場の背景

かつては、メディアと広告主で直接広告枠の売買が行われていましたが、Bidding(旧Open Bidding)の登場により、リアルタイムでのオークション形式で広告単価が最適化されるようになったのです。

Header Biddingが誕生する以前、直接売買が成立せずに売れ残った広告枠は、アドサーバーなどでウォーターフォール方式のオークションにかけられていました。

ウォーターフォール方式のオークションの仕組み

ウォーターフォール方式のオークションは、優先順位の高いAd Exchange(アドエクスチェンジ)からどんどん取引される仕組みになっています。

Ad Exchangeとは、複数のメディアやアドネットワークを横断し、入札や購入できるシステムのことです。

ウォーターフォール方式では、Ad Exchangeの規模が大きいほど優先順位が高くなります。ただし、必ずしも最高値で広告枠を売れるとは限らないため、メディア側に機会損失が生まれやすい仕組みともいわれていました。

そのような背景もあって誕生したのが、『Header Bidding(ヘッダービディング)』です。

Ad Exchange

Header Bidding(ヘッダービディング)が誕生

Header Biddingの誕生により、メディアが複数のSSPやAd Exchangeに対して、公平に広告在庫を提供できるようになりました。

2016年〜2018年にかけて大注目されたHeader Biddingは、当時メディアの約70%が採用するほどポピュラーなシステムとして普及していました。

その後、Googleの参入により現行の『Bidding』が普及する流れとなったのです。

現行のBiddingが誕生

現行の『Bidding』は、Webサイトやアプリの広告収益を瞬時に最大化するHeader Biddingソリューションです。

インプレッション発生した時点で、複数社の広告主に入札リクエストが一括送信されます。

優先順位に応じて1件ずつリクエストが送信されるHeader Biddingソリューションとは異なり、より高速でオークションが行われるということです。

入札リクエストが全て出揃った時点で、最高値の広告単価に決定されるため、最高値で入札されないリスクを避けることができます。

RTB(Real Time Bidding)の仕組み

Biddingによって、広告単価が短時間で最適化されるのは、『RTB(Real Time Bidding)』という取引形態があるからです。

RTBは、広告収益を最大化させるプラットフォームであるSSP(メディア側)と、DSP(広告主側)に採用されています。

Webサイトやアプリでデジタル広告を運用する際、知っておくべきRTBの仕組みについて解説していきます。

RTB

オークションがわずか0.1秒で行われる

RTBは、1インプレッションごとにリアルタイムで入札オークションが行われます。

広告枠売買のスピードはわずか0.1秒といわれており、高速で最高値の広告単価が決定される仕組みです。

RTBで入札が行われるプロセス

RTBは、SSPとDSPを介した複雑な取引を高速処理しています。

広告枠が入札されるまでのプロセスを具体的に見ていきましょう。

1.Webサイトやアプリにターゲットユーザーがアクセス

 

2.メディアからSSPへインプレッション発生情報を送信

 

3.SSPがメディアと訪問者の情報をデータ化

 

4.SSPから各DSPへ訪問者のビットリクエストを送信

 

5.各DSPがビットリクエストを解析

 

6.各DSPが最高値の入札リクエスト情報をSSPに返答

 

7.全DSPの返答の中で、最高値の入札リクエストをした勝者DSPを決定

 

8.勝者DSPの広告タグをメディアに送信

 

9.SSPから勝者DSPへ広告リクエストを送信

 

10.勝者DSPからアドサーバーへクリエイティブ情報を送信

 

11.メディアが勝者DPSの広告タグをWebサイトやアプリに設置

 

12.広告が表示される

RTBでは、月間数百億件以上のトラフィックを処理しているといわれています。

データ処理が遅いほど入札で不利になる傾向にあり、SSPやDSPには高速処理能力が求められています。

Biddingの設定方法

Biddingで広告収益を最大化したい場合、アドサーバーやHeader Bidding Wrapper(ヘッダービディングラッパー)などが必要です。

Header Bidding Wrapperとは、複数のHeader Biddingソリューションをまとめて実装する仕組みのことです。

アドサーバーやHeader Bidding Wrapperを用意した後は、『JavaScript』か『API連携』でBiddingを設定します。

それぞれの設定方法について解説していきます。

JavaScriptでの設定方法(コンテナ方式)

一般的なHeader Biddingの設定方法は、各ソリューションで発行したJavaScriptをHTMLのheadタグ内に埋め込む『コンテナ方式』が採用されています。

具体的には、以下のような流れで設定します。

1.Header Biddingソリューションを選ぶ

2.広告管理枠にアドサーバーを導入する

3.アドサーバーでフロアプライス設定をしたラインを作成する

4.Header Biddingソリューション、もしくはWrapperでJavaScriptタグを発行する

5.JavaScriptを、タグ内に埋め込む

6.動作確認を行う

例えばメディアが、Header Bidding Wrapperのオープンソースである『Prebid』を設定する場合、Prebid公式サイトで任意のSSPを選択してjsファイルをダウンロードすることが可能です。

そのため、プログラムに関する専門知識がない人でも、簡単に設定して広告効果を最大限発揮させることができます。

Server-to-Server方式

一部のHeader Biddingソリューションでは、API連携でBiddingの処理を行うS2S方式が採用されています。

S2S方式とは、『Server-to-Server』を略した言葉で、サーバー間での複数デマンドの入札受け入れとオークション処理を実現する方法です。

コンテナ方式と異なり、headタグ内ではなく、メディアのサーバーにHeader Biddingソリューションで発行したサーバーコードを設置します。

1.Header Biddingソリューションを選ぶ

2.広告管理枠にアドサーバーを導入する

3.アドサーバーでフロアプライス設定をしたラインを作成する

4.Header Biddingソリューション、もしくはWrapperでサーバーコードを発行する

5.サーバーコードをメディアのサーバーに設置する

6.動作確認を行う

API連携を行うためにサーバーに触れるため、専門知識を有するリソースが必要とされる方法です。

コンテナ方式と比べると処理スピードが非常に早く、広告枠の収益機会を最大化しやすいメリットがあります。

Header Biddingの設定にかかる時間

Header Biddingを設定する際、国内で広告配信可能なBidder(入札事業者)と契約する必要があります。

複数のBidderと接続したHeader Biddingを自社のリソースのみ導入する際、広告効果を最大化するまでに6ヶ月〜1年かかることもあります。

ただし、外部の事業者にHeader Biddingの導入を依頼すれば、早く1ヶ月〜2ヶ月で最適な状態で実装可能です。

早急に広告収益を最大化したい場合には、メディア運営のノウハウが豊富な事業者にHeader Biddingの導入を依頼することを検討してみてください。

まとめ

デジタル広告運用における『Bidding』とは、メディアと広告主の利害が一致する取引を実現させる入札オークションのことです。

Header Biddingは、複数のSSPやAd Exchangeと公平に広告取引ができるシステムで、国内で広く普及しています。

数々のHeader Biddingソリューションが誕生する中、インプレッション発生の時点で複数の広告主へ入札リクエストの一括送信できる現行のBiddingが誕生しました。

これから、Header Biddingで広告収益を最大化したい場合には、ご紹介した設定方法をぜひ参考にしてみてください。

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