Googleが提供するFirebaseでアプリを開発・運用する際、Google Analytics For Firebaseでユーザー行動を分析することができます。

現在、Webサイトにおいては、Google Analyticsで来訪者の分析が行われていますが、Firebase Analyticsではどのような分析ができるのか気になる人も多いでしょう。

この記事では、Firebase Analyticsと従来のGoogle Analyticsはどう違うのかを、わかりやすく紹介します!

Firebaseとは?

Firebaseとは、Googleが高品質のアプリを迅速かつ簡単に開発できるGoogleのモバイルプラットフォームです。

例えば、iOS/Android向けアプリを開発する際、SNSと連携したアカウント作成、Googleアカウントでのログイン認証システム、プッシュ機能などをFirebaseだけで搭載できます。

Firebaseは、バックエンド処理を自動化できるさまざまなSDKを提供しており、サーバーレスでアプリ開発を実現します。

アプリ利用者の行動の分析やレポート集計ができるAnalyticsも提供されており、サービスの品質向上やマーケティングに活かすことが可能です。

Firebaseの特徴

Firebase機能には、開発・品質・分析・拡大カテゴリがあり、そのほとんどが無料で使うことができます。

Firebaseの詳細は、以下の「Firebaseの登録ガイド」で確認いただけるので、気になる方はチェックしてみてください。

Firebaseの登録ガイド

Firebaseでできることは、大きく4つあります。

  1. サーバーレスでの開発・拡張
  2. アプリ内データの収集と分析
  3. 開発したアプリでのプッシュ通知送信やアプリなメッセージの作成・送信
  4. 開発したアプリへの機械学習の導入

 

ここでは、Firebaseの特徴を簡単にご説明しましたが、以下の記事ではより詳しくFirebaseについて解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

“Firebase”について詳しく解説してる記事はこちら

 

Firebase AnalyticsとGoogle Analyticsはどう違う?

Firebase Analyticsはアプリ専用のユーザー分析ツール

Firebase Analyticsは、アプリの利用者に関するデータ分析やレポート集計を行います。

根本的に異なるのが、Google AnalyticsはWebサイトの来訪者を対象としたアクセス解析サービスということです。

それぞれユーザーの行動分析を行うという点では共通していますが、アプリユーザーかWebサイト訪問者かという点は大きく異なります。

データの計測・収集方法

Firebase AnalyticsとGoogle Analyticsは、どちらもアクセス分析を行うツールですが、計測・収集するデータが異なります。

Google Analyticsは、スクリーンビューベースで計測をしており、一方のFirebase Analyticsは、イベントベースで計測しています。

スクリーンベースでは、表示されたスクリーンの合計数のことであり、ユーザーの細かいアクションまでは計測されません。

イベントベースは、ユーザーが特定のアクションを起こす度にデータに反映されるため、より詳細に行動分析が行えます。

ダッシュボードやレポートのUI設計

Google Analyticsの扱いに慣れている人なら、すぐにFirebase Analyticsに馴染めるかといったらそうでもありません。

なぜなら、それぞれのUI設計が大きく異なるからです。わかりやすいようにダッシュボードを比較してみましょう。

まずは、Google Analytics(旧バージョン)とGoogle Analytics4(最新バージョン)のダッシュボードがこちらです。


出典元:https://www.pc-koubou.jp/magazine/45757

左ペインのメニューには、リアルタイムで現在のページビューを確認できる項目や、レポートをチェックできる項目が並んでいます。

ホーム画面にはアクティブユーザー数の推移を表すグラフや、セッションなどが表示されています。

一方のFirebase Analyticsですが、左ペインのメニュー項目や、ホーム画面に表示されているアクティブユーザーを分析したグラフ表示も異なります。


出典元:https://www.gpol.co.jp/blog/118

特にレポートに関しては、初めて触れる時に戸惑う人もいるでしょう。そんな人に向けて、次項でFirebase AnalyticsとGoogle Analytics4のレポートを詳しく説明していきます。

レポート項目の違い

Analyticsにおけるレポート機能は、計測・収集したユーザーデータを有効活用するために重要な要素となります。

これからFirebase Analyticsでアプリケーションを開発しようと考えている方は、どのようなレポート項目があるのかを予め把握しておきましょう。

【Google Analytics4のレポート項目】

最新バージョンのGoogle Analytics4では、リアルタイムの訪問情報やユーザー属性の詳細、すべてのイベント集計などのレポートをチェックできます。

レポート項目 概要
ホーム主要となるレポート項目を一覧表示。
リアルタイム直近30分間における、以下の項目を詳細に表示。・訪問ユーザー数・参照元・オーディエンス・ページビュー・イベント・CV数など
集客以下のような項目を集計して表示。・ユーザー数・新規ユーザー流入元・セッション流入元・LTVなど
エンゲージメントエンゲージメントに関する以下の項目を詳細に表示。・ユーザーとセッションあたりのエンゲージメント時間・ページビュー・イベント発生回数・ユーザー数の推移など
収益収益に関する以下の項目を詳細に表示。・購入者数・平均購入額・購入商品・クーポン、プロモーションの利用数・Eコマース購入数・パブリッシャー広告の詳細など
維持率以下の項目を詳細に表示。・新規ユーザーとリピーター・ユーザー維持率・エンゲージメント時間・ライフタイムバリューなど
ユーザー属性以下のようなユーザー属性を表示。・国・市区町村・言語・インタレストカテゴリ・年齢・性別など
テクノロジーユーザーに関する以下の項目を詳細に表示。・プラットフォーム・OS・デバイス・ブラウザ・画面サイズ・アプリバージョン・クラッシュ率など
コンバージョンコンバージョンで設定したイベントの集計結果や設定画面を表示。
すべてのイベントすべてのイベントの集計結果と、設定画面を表示。

Firebase Analyticsと似たレポート項目が多数ありますが、レポート項目をクリックした後に表示される詳細については異なる部分が多数あります。

Firebase Analyticsのレポート項目

Firebase Analyticsには、Google Analytics4にはないFunnelsなどのレポート項目があります。

10種類のレポート項目とその内容を簡単にまとめたものです。

レポート項目概要
Dashboard主要のレポート項目をカード形式で表示する。
・アクティブユーザー数
・過去30分間のユーザー
・コンバージョンの発生頻度
・ユーザーエンゲージメントの発生状況
・アプリの収益額、安定性
・最新リリースの導入状況
・新規ユーザー獲得方法、維持率、詳細
・プラットフォームの内訳など
Events以下の項目のイベント数、ユーザー数、ユーザーあたりの平均イベント数を表示する。
・イベント一覧
・推奨イベント
・既存のイベントなど
Conversionsコンバージョンのイベントに関する購入回数、収益、LTVなどを表示。
・広告ネットワーク
・キャンペーン
・クリエイティブなど
Audiencesユーザーリストから条件を絞ったセグメントを作成可能。API連携でGCPプロダクトにも利用できる。
・アプリを起動したことがあるユーザー
・アプリ内購入、eコマース購入をしたことがあるユーザーなど
Funnelsアプリケーションの一連のステップ完了率を集計し、可視化できる。目標到達プロセスはプロジェクトごとに最大200個作成可能。
User Propertiesフィルタ機能のユーザープロパティを設定可能。
Latest Releaseアプリの最新リリースバージョンごとに、普及率、エンゲージメント、クラッシュしたユーザー割合などを表示。
Retentionアプリを同時期に利用し始めたユーザーの維持率を表示。
StreamViewリアルタイムでアプリを利用しているユーザーを地図上にマッピング。ユーザーごとの使用方法のイベントデータを表示。
DebugViewアプリケーション開発中、運用中に起こったデバッグのレポートです。デバッグモードを有効にすることで利用可能。

これらのレポート機能は、今後のアップデートで新たに追加・削除される可能性もあります。また、他のFirebase SDKと連携したデータ分析も可能です。

Firebase AnalyticsとGAのできること・できないこと

2022年5月時点、モバイルアプリのユーザー分析・レポート集計を行えるのはFirebase Analyticsとなっています。

Webサイト訪問者の分析については、Google Analytics4、もしくは旧バージョンのGoogle Analyticsで行う必要があります。

Firebase Analyticsの強みは、最大500個のイベントを自動取得し、レポートを無制限に生成できることです。取得したレポートの結果から、ユーザー行動を細かく分析できます。

しかし、Google Analyticsではできていた以下のような項目が、Firebase Analyticsでは扱いづらいという声もあります。

  • 時間帯別でユーザーの利用数をGUI上で速やかにチェックする
  • ユーザーの行動フローを見える化し、離別箇所を詳細に特定する
  • コホート分析をセグメント有りきで見える化する

 

それでも、Firebase Analyticsは、モバイルアプリにおけるマーケティング対策を大きく支援するツールです。Google Analyticsとの違いを理解しつつ、自社アプリの運用に活用して品質向上を目指していきましょう。

まとめ

Googleが提供するアプリ開発プラットフォームのFirebaseでは、従来のGoogle Analyticsとは異なる仕様の『Google Analytics For Firebase』が提供されています。

Firebase Analyticsは、アプリユーザーの行動分析・レポート集計を行うことができ、最大500個のイベントを自動取得することも可能です。

Firebase AnalyticsとGoogle Analyticsと比較した時、類似するレポート項目が多数ありますが、UI設計や表示される詳細については仕様が異なるため、操作に慣れる必要があるでしょう。

Analyticsを活用したユーザー分析は、根拠のあるマーケティング戦略を打つ上で必須となります。他のFirebase SDKとの連携も活用しながら、Firebase Analyticsを上手に運用していきましょう。

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