はじめてのweb広告シリーズ第2回は、CTRについてです。
前回のCPCと今回のCTRを知ることで、クリック広告の売上(Revenue、収益など言い方は多様です)を得ることができます。逆に売上からCPC、CTRの変動を追うことで、売上が上下する原因についておおよその当たりをつけることも可能です。
今回は、CTR(クッリク率)について解説していきたいと思います!
CTRとは
「CTR(Click Through Rate)」とは、クリック率を意味しており、インターネット広告や自然検索の効果指標のひとつです。
広告やリンクなどのインプレッション数のうち、ユーザーがクリックした回数の割合を計算したものがCTRです。
「CTR」を計算式で表すと
CTR=クリック数÷広告の表示回数(インプレッション数)×100
例)20(クリック数)+2000(インプレッション数)×100=1%(CTR)
あらゆるネット広告において、広告広告効果を図る重要な指標の1つとして使われます。CPMで取引されるプログラマティック広告の場合、高いCTRはそのまま効率の良い集客(表示回数にお金を払っているため)につながり、高く評価されやすいと言えます。
CTRは一般的に高いほど良いとされますが、不自然に高い場合は(意図しているかに関わらず)不正行為とみなされることもあります。
CTRが変化する要因
CTRは複数の要因によって変動します。代表的なものは以下の3つになります。
1. 広告クリエイティブ(画像、テキスト、動画など)そのものの品質
2. 掲載されているメディア、ユーザーとの相性
3. 広告クリエイティブのリッチ度
実際にはこれらの組み合わせ(複数要因の掛け算)で、最終的な結果がCTRとなって現れます。Aというウェブサイトでどんなに良い効果のあったクリエイティブでも、Bではまったく見向きもされない、といった事例はネット広告あるあるです。
見慣れないのは「広告クリエイティブのリッチ度」でしょうか。ネット広告は、時代とともにどんどんリッチになってきました。
なぜならば、猛烈な勢いで普及しユーザーを増やすインターネットでは、広告(だけでなくネット上のあらゆるコンテンツ)が高速で消費され、浪費され、広告が本来の目的(=クリックされること)を果たすには、その表現をエスカレートせざるを得なかったからです。回線速度と端末の処理速度の向上もそれを助けたと言えます。
様々な視点から見たCTR
CTRを広告主、媒体社、プラットフォーマー(プログラマティック)の様々な視点から分析します。
広告主
CTRが高いメディアや枠を買う(出稿する)ことで「ユーザー1人あたりの誘導単価」を低く抑えられる、と考えることができます。つまり広告出稿する側から見て広告効率が良くなります。
媒体社
CPC広告を掲載している場合、CTRの高低は媒体社の売上を左右する重要な要素です。「CPC50円で、クリックされただけ支払う」といった取り組みはよくある話です。CPM広告についても、後述のように予算が寄ることは大いにあるので、可能な限りCTRを高める工夫は大事です。
プラットフォーマー(プログラマティック)
CTRが高い媒体や広告枠は、CPMも高くなりやすいです。
あるキャンペーン(案件)をどの媒体、広告枠に配信しようか?と考えた場合、「CTRが高い媒体、枠」というのは選ばれるに十分な理由になります。
全く新しいキャンペーンをどの媒体、広告枠に配信しようか?と考えた場合も同様です。その媒体、広告枠がこのキャンペーンにマッチするのかがわからない場合、CTRが高いという理由で選ばれる可能性は高まります。なぜならば、まずクリックされてユーザーをクライアントのLPに送り込まねば始まらないからです。
もちろん、リターゲティング広告や過去の実績、学習成果によっても左右されるのは言うまでも有りません。そしてこういった買う買わないの判断は、有力なプラットフォーマーであればあるほど自動化されている点にもご注意ください。
まとめ
CTRには適正な範囲、平均的な数字があります。極端に高い数字が出た場合には要注意です。具体的に何%は危ない!と書くことは出来ませんが、2020年時点で「二桁%のCTR」等はまずありえないと思って間違いないでしょう。
CTRは「同一のフォーマットにおいては年々下がっている(特にディスプレイの静止画広告)」ためです。新しい広告フォーマット、見せ方が絶え間なく生まれる理由の一つは、間違いなく下がり続けるCTRにあるでしょう。
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